Column

Vol-002

2024.8.28

Pearl Drums への移籍に関するご報告

1986 年、私がバンド「THE SQUARE」(現 T-Square)に加入しプロデビューすると同時に Pearl ドラムス・アーティストとなり、以降約 10 年間に渡り楽器をサポートして頂きながら、レコードや CD、コンサート等の演奏活動を通じてそのサウンドを世に送り続けてきました。

当時はつのだ☆ひろさんを校長として毎年サマードラムスクールも催され、私達パールドラマーも 講師として参加。若手の育成やプロ現場における貴重な情報交換の場所として、思い出深い大切な時を過ごしました。


時代の流れと共に、自身のプレイスタイルやサウンドの嗜好が変化し、その後も多くの素晴らし いドラムメーカーと共に、ドラマーとしてのキャリアを重ねてきました。
シェルの素材、エッジの加工、ハードウェアの重さ、合わせるヘッドの種類、チューニング法、そして楽器へのタッチ。

自分だけの『声:voice』 を求め続けて来ました。


令和の時代に入り、コロナ禍も経験した私達は、全く新しい価値観と共に制作現場を共有しなけ ればならない事も増えました。
具体的には個々のミュージシャンが自宅で録音したデータを合わせて作品を作る、なんてことは既に当たり前のことになっています。
大きくて立派なスタジオに何本もの高価なマイクを立てて名エンジニアが腕をふるう風景は、今や貴重に感じるほどです。

とても複雑で含みのあるアコースティックドラムの音を私達が表現力としてコントロールし、それを正確に録音すること。
またコンサートやライブ会場に理想的に響かせること。どんなに技術が進歩 してもそれらは依然としてとても難しい事です。
それでも尚(だからこそと言うべきでしょうか?)アコースティックドラムは私達の心に多くを語りかけてくれます。


ちょうどこの4月にパールの最新機材を使用する機会があり、レンタルした Masters Maple Pure をレコーディングとライブの現場でテストしましたが、このドラムセットは MR シリーズからの特徴である含みのある柔らかなトーンを基本に、芯のある重心の低い鳴りを感じることができました。

スネアドラムは Duoluxe とアルミのセンシトーンを使用しましたが、扱いやすく素晴らしいものでした。
新しいタムホルダーとサスペンションシステムはとても機能的であり、サウンドに好影響を与えていると実感し、これらハードウェアの進化にもまた感銘を受けました。

その後、最も興味のあった Masters Maple/Gum のセットを試奏するに至り、一発でハートを射止められた次第です。
実に”ドラムらしい”サウンド。ウォームでありながらソリッド。まさに思い描いていた理想のサウンドとタッチ がそこにありました。

生ドラムが持つ骨太さや繊細さ、ダイナミクスと無限の表現力。そして非常に現代的で考え抜かれたハードウェアの設計。触れてみて分かる、隅々にまで行き届いた工作精度。
まさに楽器と呼ぶに相応しい「今」の Pearl ドラムスに改めて出会い、魅了された事がこの度の決意に至った理由です。


還暦を迎える 2024 年。

まだまだこの先の夢を共に切り拓いていきたい。
己の可能性を信じたい。
そして思いっきりプレイを楽しみたい!

28年ぶりに里帰りさせて頂きます。

皆さま何卒宜しくお願い致します。

2024.8 則竹裕之


Pearl楽器公式サイト
https://pearldrum.com/ja/

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